『ハロウィン大戦「コンビニの後」』 作:よぉげるとサマー

【CHARACTER】

●グレムリン

 イタズラをする気は無いモノの、自分の意思とは関係なく、機械に近付くと勝手に壊れてしまう。風船ガムが好き。

●デュラハン

 ツッコミ苦労人。首を起点に頭と胴体が離れている。愛馬と頭は絶賛どっかいっている。

●ケットシー

 猫。運転免許は持っていない。常識人枠なのかどうかわからない。伝わらないなと思ったら、伝わるように言い直してくれる。

●エサソン

 小人系。無類のキノコ好き。キノコの事になると目の色が変わる。やばい人。口癖は「はにゃー」。


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【STORY】


ケットシー:こちらオペレーションルーム。パイロットの搭乗を確認。発進シークエンスを開始する!

エサソン:動力システム、起動。エネルギー供給、安定中。

ケットシー:武装システム、チェック完了! 武器全搭載、準備OK!

エサソン:通信リンク、良好。外部との接続も問題なし。

ケットシー:駆動系統オールグリーン! パイロット、準備はいいにゃ?

デュラハン:問題ない、行くぞ!

ケットシー:システム全チェック完了! 発進許可を確認……発進準備完了!

デュラハン:『コシュタ・バワー』!

グレムリン:発、進っ! がこぉん!

デュラハン:えっ?

ケットシー:にゃっ?

エサソン:はにゃー?

グレムリン:……ん? あれ? わぁ……レバー取れた。

デュラハン:だから……お前は機械に触んなってぇー!


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グレムリン:いや、ごめんって。ほら、ロボットに乗るなんて経験、生きてても死んでても、ワンチャン有るか無いかじゃん? そこで、チャンス掴んで伸(の)るか反(そ)るか、ってなったら、そりゃ乗るか踊るか、イェイッ! って感じじゃん? ねー?

デュラハン:どういう感じだよ、意味わかんねぇって! 

ケットシー:まぁ、人生の岐路(きろ)に立つと、理性だけじゃ成功しにゃいからにゃ。自分にすにゃおに、にゃるべき……いや、「素直」を「すにゃお」にしたら分かりづらいか……素直ににゃるべきにゃ。

デュラハン:いや、言い直さなくて良いって。

エサソン:はにゃー、お前否定してばっかだから友達いねぇんだぞぉー。

デュラハン:やめてって……。

グレムリン:まっ、済んだことを悔やんだって、しゃーなしじゃん?

デュラハン:お前は、その百倍は悔やめって。

グレムリン:ごめんごめん……よっしぃ、あー、悔やんだぁー、しゃっ!

デュラハン:うーん、さては悔やむって言葉を知らないな?

ケットシー:それにしても。これからどうするにゃ?

デュラハン:どうするって……直すしかないだろって。

ケットシー:直せにゃいにゃ。

デュラハン:え? レバー折れただけだろ?

エサソン:ちげえよー。レバーの折れた衝撃でー、数箇所の回路が断線して漏電(ろうでん)ー、からのショート、そして発火ー。

ケットシー:そんで脚部が普通に爆発したにゃ。

デュラハン:普通に爆発したってー!?

グレムリン:いやー、そゆこともあるよね。

デュラハン:あるわけねーだろって!

エサソン:うっせーなぁ! 実際なってんだろボケがっ!

デュラハン:わぁ! なんでアンタがキレてんだってー!

ケットシー:おい、キノコ食え。

エサソン:うごっ! ぐっ、あっ……はぐっむぐっむしゃっばくっばくっ、むぐっうっ! あ、あっ、あぁぁぁぁあ!

デュラハン:怖い怖い怖い怖い!

エサソン:はにゃー。

デュラハン:怖いって!

グレムリン:とにかく落ち着きましょう、ね? ここで、フーセンガム膨らませて、コンビニ前でウンコ座りしながらするようなトークしてる場合じゃないっ、わかるでしょ? 私たち今、ピクルス抜きのハンバーガーや、サラミの載ってないピザを食べるくらい、人生で無駄な時間を過ごしてる。

デュラハン:ごちゃごちゃ意味分からんことを並べるなって! つーか、お前が言うなっての!

ケットシー:まぁまぁ、言論の自由と言うものは、誰にゃでも許されてしかるべき……いや、「誰にでも」を「誰にゃでも」にしたら分かりづらいか……誰にでも許さ……。

デュラハン:言い直さなくて良いってば!

エサソン:それよりー、これからどうするかをー、考えようぜー。

デュラハン:わ……まともなことも言ってくれるんだぁ……ありがとう。

エサソン:ごめんなさい……普段から異常で。皆に嫌われてるのに……息をしていてごめんなさい。

デュラハン:あぁ! 突然、バッド入ったって!

ケットシー:まぁ、確かに過ぎたことを掘り返したって、しょうがにゃいにゃ。あ、食べ物の生姜のことは言ってないにゃ。

デュラハン:分かってるよ!

グレムリン:敵組織のアジトに乗り込む前に、とんだ災難に見舞われちゃったけど……ウチらなら乗り越えられるよねっ。

デュラハン:ぜーんぶ、お前のせいだから、できれば、お前にぜーんぶ何とかして欲しいけどねっ!

グレムリン:いるよねー、そういう自分が何もしたくないからって、全部他人に押し付ける奴。

デュラハン:お前だっ、お前のことだって!

ケットシー:最低にゃ、お前。

デュラハン:俺なのっ!?

エサソン:はにゃー、ドクズ野郎ー。

デュラハン:復活した第一声が罵倒っ! てかっ、何で俺が悪いみたいになってんだってー!

グレムリン:はぁ……はいはいはい、分かった、分かりました。ウチがなんとかすりゃ良いのね? それで満足すんのねっ?

デュラハン:そうっ、だけど……なんかっ……なんで、キレ気味なんだよっ……。

ケットシー:何とかすると言っても、どうするにゃ?

グレムリン:電話する。

エサソン:どこにだよー。

グレムリン:敵の組織にいる、いとこ。

デュラハン:は? いとこ?

グレムリン:うん。はとこ、じゃないからね。

デュラハン:え、いとこ、いるの? 敵組織に?

グレムリン:いるよ。敵組織に。

デュラハン:へー……なんで?

グレムリン:なんでって……え、就活したからじゃん?

デュラハン:敵組織って就職するもんなの!?

ケットシー:にゃー……言いづらいけどにゃ……。皆、きちんと働いて、お金もらって生きてるにゃ……お前と違って。

デュラハン:俺も皆と同じだって!

エサソン:誰1人としてー、同じ奴なんていね〜んだよー。

デュラハン:あー……この流れじゃなかったら、その言葉響いたかもなー……。

グレムリン:あっ、もしもーし。ウチ、ウチー。元気ー?

ケットシー:マジで電話してるって!

デュラハン:雑に俺のセリフとるなって!

ケットシー:そっちも、にゃって言ってくれて良いにゃよ?

デュラハン:嫌だって……。

ケットシー:そこは、嫌にゃって、って言えにゃ。

デュラハン:嫌です。

グレムリン:うんうん、そっかー。頑張ってんだー。でさぁ。そっち行っていい? なるはやで。

エサソン:どストレートが過ぎるってー。

デュラハン:なんでさっきから、俺のセリフとるんだよって。

エサソン:別にお前のセリフってー、訳じゃねぇだろー、自意識過剰ー。

デュラハン:うっ……そうだけど……。

グレムリン:え? 何しにってそりゃ……普通にカチコミだけど? 当たり前じゃん。

デュラハン:どこの世界の常識なんだよって。

ケットシー:てか、カチコミに来たいって奴らを迎え入れる訳が無くないかにゃ?

エサソン:それこそがー、当たり前だろうがー、ボケー。

デュラハン:突然、正論かますじゃん。

グレムリン:あっ、マジで。良かったー。じゃあ四人で予約しといてー。

デュラハン:予約っ!?

ケットシー:おい、にゃん数まで教えやがったにゃ……いや、「人数」を「にゃん数」にしたら分かりにくいか……人数まで。

デュラハン:言わなくて良いって! てかっ、敵組織に行くのって、予約制なのっ!? カチコミも可なの!? なんなのっ!? おかしいって! こんなの絶対おかしいよって!

エサソン:いま、なんて?(※ガチ渋めトーン)

デュラハン:えっ……なんかマズイこと言ったかにゃ?

ケットシー:いま、なんて?

デュラハン:ごめんなさい。

エサソン:お菓子、って言いましたか?

デュラハン:いいえ、可笑しいって、言ったんですよ?

エサソン:いま、なんて?

デュラハン:……可笑しいって、言いました。

エサソン:お菓子?

デュラハン:可笑しい、ですって!

エサソン:いま、なんて?

ケットシー:無限ループってこわくね?

デュラハン:なになになに、これ俺が、そうですって言わないと、先に進めないってやつ?

エサソン:お菓子って言いましたね?

デュラハン:……はい、言いましたっ。

エサソン:あっそ。

デュラハン:返せよ、この時間っ!

エサソン:はにゃー?

デュラハン:突然言葉喋れないマスコットキャラみたいなことしても無駄だって!

ケットシー:しかたにゃいにゃー、馬鹿ハン君は。

デュラハン:デュラハンだっ! 初めて名前っぽいの呼ばれたなっ!

ケットシー:そんな言うんなら、時間を返してあげるにゃ。

デュラハン:えっ!? できるの、ケトえもんっ!?

ケットシー:ケットシーだにゃ。そして、出来るにゃ。

デュラハン:嘘くせー。

ケットシー:斬、鉄、剣(ざんてつけん)。

デュラハン:えっ、どっから剣が……? って、あっ、体が、斜め、に……。

ケットシー:また、つまらにゅ……う……噛んだ。


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デュラハン:そこで噛んじゃったよ!

エサソン:いま、なんて?

デュラハン:えっ、あっ……戻ってるっ!

グレムリン:うん、よろー……って、えっ!? なんでお前、体真っ二つになってんの!?

デュラハン:えええええ、そこも戻せよって……あっ、自覚したら、意識が……くらっと、暗く……バタンッ。

エサソン:いま、なんて?


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デュラハン:ん……んぅ……こ、こは?

グレムリン:っ! 先生っ、目を覚ましました!

ケットシー:……わかりますか?

デュラハン:う……あぁ……。

ケットシー:あぁ……落ち着いて下さい。貴方に、お話があります……いいですか?

デュラハン:……は、い。

ケットシー:どうか、落ち着いて……貴方は……ずっと頭と首が、離れた状態だった。

デュラハン:えっ……う、うん。デュラハン、ですから……。

ケットシー:落ち着いてっ。

デュラハン:お、落ち着いてますって……。

ケットシー:バイタルとかは?

デュラハン:とか?

グレムリン:先生、計器が全部壊れたので、わかりません。

デュラハン:電子機器に触るなお前はっ。ぐっ……!

ケットシー:落ち着いてっ。バイタルとかは安定しているようでね。

デュラハン:さっきから、とかって、なんなんだって……うぅ。

ケットシー:混乱しているようだ……テキトーに鎮静剤とか打とう。ナースっ、準備を。

デュラハン:テキトーにやめて、あと、とかって、やめてって!

グレムリン:はいっ、ナースに伝えてきますっ!

デュラハン:じゃあ、お前誰なんだよって!

ケットシー:落ち着いてっ!

デュラハン:落ち着かせてっ!

ケットシー:貴方に……もうひとつ、お伝えしなければならないことがあります。

デュラハン:え……な、なんですか?

ケットシー:……体が、真っ二つになっています。

デュラハン:まだ治してくれてないの!? 

ケットシー:落ち着いてっ!

デュラハン:落ち着けないって!

グレムリン:先生っ、連れて来ました!

エサソン:はにゃー。ナースが来たぞー。

デュラハン:お前は通常口調なんかいっ! って、あっ……意識が。

ケットシー:オチついてっ!

エサソン:いま、なんて?


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グレムリン:……ぱぁんっ!(※フー船ガムの破裂音)

デュラハン:はっ! ……俺の部屋……えっ……ゆ、夢……だった、って……?

グレムリン:違うよ。

デュラハン:わぁっ、なんでいんだって!

グレムリン:あれは夢じゃない。組織の亜空間干渉によって生じた、平行世界を閉じ込めた領域で起こった……計画的犯罪。

デュラハン:え……なんかデジャヴ。あと、別に犯罪感は無かったって……。

グレムリン:急いで出る準備して。

デュラハン:えっ、はっ、えっ? ど、どこに何しに行くんだっ?

グレムリン:決まってるでしょ……敵組織へカチコミに行くんじゃん。予約してるんだから、遅れたらキャンセル料金かかっちゃうじゃん。

デュラハン:じゃあ夢じゃないじゃんっ! てか、キャンセル料とかあんのっ!?

ケットシー:ぶおおおおおおおん!(車のエンジン音)

エサソン:ぐじゃあああああんっ!(破壊音)

デュラハン:だぁああああああ!

ケットシー:……ふぅ……待たせたにゃ。

グレムリン:いいえ、時間通りだわ。

デュラハン:うわあああ! 俺の部屋がああああ!

エサソン:はにゃー。うるせーなー。修理代なんてー、払わないぞー。

デュラハン:それは払えよっ! こんな壁に大穴開けやがって!

エサソン:はにゃー。よく見ろよぉー。

デュラハン:はぁ? ……って、うぇっ!? 何だこの……えっ、なにっ!?

ケットシー:部屋の外に、暖色系の宇宙みたいな空間……これこそ、にゃ空間ってやつにゃ。……いや、「亜空間」を「にゃ空間」にしたら分かりにくいか……「亜空間」ってやつにゃ。

デュラハン:うん、さすがに言い直してくれないと分からないパターンだった。

グレムリン:そう、つまり。ウチらは組織の策略にハマって、閉じ込められてたって訳。ふっ、笑える。

デュラハン:全然笑えないって……。てか、閉じ込められてるって……なんで?

エサソン:カチコミ予約をー、こちら理由でのキャンセルにしてー、法外なキャンセル料金を、ふんだくる為だろーがー。

デュラハン:使ってる技術のわりに、やることが、せこいって!

グレムリン:とにかく。どうにかして、ここを抜け出して、敵組織へ乗り込まないと。

デュラハン:どうにかって……どうするんだって?

ケットシー:これにゃ。シャキーン。

デュラハン:そ、それはっ!

エサソン:斬(ざん)っ!

グレムリン:鉄(てつ)っ!

ケットシー:剣(けん)……にゃ。

デュラハン:……あっ、そういえば体はっ! あっ、良かったー、くっついてるぅー!

ケットシー:にゃー? 夢でも見たのかにゃ?

デュラハン:うーん……そうかも。

エサソン:とにかくー。ここからその刀を使ってー、脱出しやしょーぜー。

ケットシー:にゃー。じゃあ、うまく持てないから、グレムリン、任せたにゃ。

グレムリン:わぁ、名前初めて呼ばれた気がする。てか、これどうやって使うの?

デュラハン:刀だからそのまま切るんだろって。

グレムリン:何を?

デュラハン:そ、それは……亜空間と、か?

グレムリン:爆笑ー。

エサソン:腹痛てー。

デュラハン:じゃあ笑ってよせめてっ!

ケットシー:まあ、あってるけどにゃ。

デュラハン:あってるじゃんっ!

グレムリン:んー、ただ刀をズバって振ればいいの?

ケットシー:いや、その刀の柄(つか)に、ボタンがあるにゃ。それを押すと、亜空間切断モードになるにゃ。

デュラハン:何だよ、そのモードって……ん?

グレムリン:んー? あっ、これかな?

デュラハン:ちょっと待て、その刀ってもしかして……電動なのか?

ケットシー:電動にゃ。

グレムリン:ポチッとなー。

デュラハン:まずいっ! おい、やめっ……!

エサソン:どぅごぉおおおおんっ!(爆発音)


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デュラハン:爆発オチなんてサイテーっ! ……はっ!

エサソン:起きたか、坊主。

デュラハン:だっ、だれっ?

エサソン:おいおい……記憶喪失かぁ? 勘弁してくれよ、たくっ……。

デュラハン:え……いや……あの……エサソン、さん?

エサソン:ん……ははっ……懐かしい呼び名だ……。よく覚えてるじゃねぇか。

デュラハン:いや、確かに名前あんまり呼ばないけど……なんかおかしいって。ハードボイルドすぎるって……。

エサソン:いま、なんて?

デュラハン:えぇっ、またこのパターンなのかっ!?

エサソン:お菓子、つったか?

デュラハン:いえ……可笑しいって、言ったんです。

エサソン:そうか……。

デュラハン:えっ……聞き分けが良い……。

エサソン:いや、すまねぇな……ほら……もう、ハロウィンだろ?

デュラハン:え?

エサソン:だからよ……トリックオアトリートって、せがまれたら……だしてやんねぇとなって、思ってよ。

デュラハン:……お、菓子、を?

エサソン:あぁ……。

デュラハン:…………やばい、だからなにって感想しかでねぇ。(※小声)

エサソン:さて、と。行くか。

デュラハン:えっ、ど、どこに?

エサソン:決まってるだろ……あの馬鹿が爆発と引き換えにこじ開けた……穴の先、さ。

デュラハン:はっ、目の前に馬鹿でかい空間の亀裂がっ!

エサソン:気づかなかったのか……おめでてえ奴だな。

デュラハン:くっ……て、てかっ、本当にこの中に行くのか? ま、真っ暗だけど……。

エサソン:……無理について来いとは言わねぇよ。お前だって、命が惜しいだろうからな。

デュラハン:や、やっぱり危険なんだ……。

エサソン:あぁ……吸い込まれたケットシーとグレムリンは、敵組織に捕まっちまった。

デュラハン:そ、そんなっ。

エサソン:急いで奴らを解放しないと……。

デュラハン:あぁ……今頃、どんな目に合わされてるか、分からないって……。

エサソン:法外なキャンセル料金がかかっちまう。

デュラハン:そっちの心配なの!?

エサソン:坊主。どうすんだ? 俺ぁ、1人でも行くぜ?

デュラハン:いや……マジで悩むなぁ……。

エサソン:行くも行かねぇも、お前が決めることだ。

デュラハン:まぁ……うん……。

エサソン:難しい決断だろうからな。悩みたい気持ちはわかるぜ。

デュラハン:……わかった。思い切って……ここで待ってよっかなっ。

エサソン:どんな決断をしようと、俺ぁ、お前を責めたりしねぇさ。

デュラハン:いや、すみません。ありがとうございます。

エサソン:ただ、決めるのだけはお前がやんなくちゃいけねぇ。

デュラハン:ん?

エサソン:どうするんだ、坊主?

デュラハン:いや、だから、行かないって。

エサソン:まあ、確かに簡単に答えは出せねえよな。わかるぜ。

デュラハン:いや、答えはもう出してるって。

エサソン:でもよ、決めるのは結局、お前自身だ。

デュラハン:だから、決めたって。行かねぇって。

エサソン:後悔しない選択をするこった……さぁ、どうすんだ?

デュラハン:いーかねぇってー!

エサソン:さて、そろそろ答えを聞こうじゃねぇか!

デュラハン:行かねぇっつってんだろーがよーって!

エサソン:確かに迷うだろうなっ! だが、迷いながらも答えは出さなきゃいけねぇっ!

デュラハン:聞けってーのー!

エサソン:…………。

デュラハン:はぁ……はぁ……はぁ……。

エサソン:時間だ。答えを聞こう。

デュラハン:……「行くっす!(※バルスっぽく)」って言うまで、終わらないってことだな……。

エサソン:答えを選びたまえ。君は今、エサソン王の前にいるのだ。

デュラハン:誰だよ……なんの権力を持ってんだって……。

エサソン:お前に行くか行くかを選ばせる権力を持っている。

デュラハン:それ、行くしかねぇって!

エサソン:ってーことはー?

デュラハン:行くしかねぇってー!

エサソン:よく言ったー!


※テンション上がる音楽 in

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ケットシー:こうして、敵組織に囚(とら)われた仲間を救うべく。少年は立ち上がったにゃ。

グレムリン:襲い来る敵の魔の手に、果たして2人は立ち向かえるのだろうか。

ケットシー:次回、ハロウィン大戦。

グレムリン:「え? 結局ハロウィン感無いけど、これ……良いの?」の巻き。

ケットシー:みんなも、ハロウィン、にゃんジョイにゃぞー。……いや、「エンジョイ」を「にゃんジョイ」にしたら分かりにくいか……「エンジョイ」にゃぞー。

デュラハン:だからぁ、言い直さなくていいってー!

エサソン:あ、はにゃー、って言っとこ。はにゃー。



the end ってね⭐︎